株主優待

株主優待のクロス取引を解説

 

株主優待を取得するためには、権利日に現物株を保有しておく必要があります。
現物株でない場合(信用買や貸株中)では、株主優待を取得できません。

現物株を保有することは、株価変動リスクを負うことになります。

これに対して、比較的少ないコストを払う事で、株価変動リスクを抑えながら、株式の短期保有かつ低リスクで株主優待を取得する、
株主優待クロス取引
という手法があります。

この記事では、株主優待クロス取引をどのように行うかを注意点を含めて解説します。

 

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株主優待を取得するには

基本ですが、株主優待を取得するためには、権利日に現物株を保有しておく必要があります。

ここで、約定してすぐに現物株が引き渡されるわけではない点に注意してください。

現物株が引き渡されるのは、約定日から2営業日後です。
(2019年7月16日より、3営業日から2営業日に変更になりました。)

株主優待の権利を取得するための最終日を権利付日といいます。

少なくとも、権利付日と、その翌営業日(権利落日)に株式を保有していれば、株主優待を取得できます。

株主優待クロス取引の基本的考え

株主優待クロス取引の基本的な考え方はシンプルです。

権利付日までにに同値で約定した現物株と信用売建を同数保有します。
そして、権利落日に現渡(信用売建を現物株で決済)します。

現物株と信用売建を同数保有しているので、株価変動リスクを負いませんし、現物株を保有しているので、株主優待の権利も得ることができます。

ここで気になるのは、どうやって現物株と信用売建を同値で約定するかです。

これを実行する方法としては、
寄りで同数の、
現物買いの成行注文と、
信用売りの成行注文

を入れるというのが一般的です。

基本はこれだけなのですが、実践する場合には、信用売りをするためには、どうにかして株を借りてこないといけません。
次に、株を借りる2つの方法について説明します。

 

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株主優待クロス取引での、制度信用売りと一般信用売り

株主優待クロス取引のためには株を借りる方法としては以下の2つがあります。
・一般信用売り
・制度信用売り

各々の銘柄で、一般信用りの可否、制度信用売りの可否があり、全部で4パターンがあります。

一般信用売りも、制度信用売りもできない場合は、株主優待クロス取引は出来ません。

一般信用売りとは?

一般信用売りは証券会社から株を借りて、信用売りを行うことです。

証券会社は、証券会社自身が保有する株を貸しだすか、大株主やファンドから株を借りてきた株を貸しだすことになります。

しかし、一般信用売りサービスを提供している証券会社は数社しかありませんし、しかも、調達できる株数も限定的です。

このため、早め早めの株主優待クロス取引が一般的です。

株主優待権利付日直前になると、一般信用売り残高が無くなるケースもあります。

制度信用売りの開設の前に、一般信用売りを行える証券会社を紹介しておきます。

(補足)一般信用売りが可能な主な証券会社

以下に一般信用りが可能な6つの証券会社を紹介します。
配分に関しては、カブドットコム証券が毎日の抽選制で、それ以外が先着順になっています。

◎カブドットコム証券
返済期限が3年の一般信用取引(長期)と、返済期限が14日の一般信用取引(売短)の2種類があります。
長期・売短を合わせると銘柄数が多いです。
抽選申込は、営業日の19時から20時にできます。

◎SBI証券
返済期限が15営業日の一般信用短期売りを株主優待クロス取引で主に使う事になります。
スタンダードプランの信用取引の売買手数料の上限が、50万円超で税込378円です。

⇒ SBI証券

◎楽天証券
返済期限が14日の一般信用取引「短期」を株主優待クロス取引で主に使う事になります。
超割コースの信用取引の売買手数料の上限が、50万円超で税込378円です。
手数料の1%分の楽天スーパーポイントが貯まります。

◎GMOクリック証券
2018年8月にサービスを開始したばかりなので、今後のサービス拡充を期待しています。
返済期限が15営業日の一般信用売り(短期)を株主優待クロス取引で主に使う事になると思われます。
一部のGMOグループの株主優待を利用すると、売買手数料がキャッシュバックされるのが利点です。

⇒ GMOクリック証券

◎松井証券
一般信用売りができる銘柄数は限られますが、返済期限が無期限です。
1日の約定金額が10万円以下なら売買手数料が無料です。

◎大和証券
無期限の一般信用売りができます。
信用取引の売買手数料の上限が、50万円超で税込515円です。

制度信用売りとは?

制度信用売りは日本証券金融から株を借りて、信用売りを行うことです。

制度信用売りは、一般信用売りよりも多くの銘柄で行うことができる点が利点です。

また、信用口座を開設できれば、どの証券会社でも制度信用売りをすることができます。

しかし、一般信用売りにはない、
逆日歩(ぎゃくひぶ
というコストを払う場面が出てくることが最大の難点です。

制度信用売りが多くなると、日本証券金融は株不足になり、新たに大株主やファンドから追加的なコストを払って株を借りてくる必要が出てきます。
(株不足にならばい場合は、逆日歩は発生しません。)

このコストが逆日歩となり、制度信用売りを行った人が負担しなければなりません。

この逆日歩は非常に厄介で、制度信用売りを実行するときには、いくらになるか分からず、翌営業日になって、ようやく判明します。

しかも、逆日歩が非常に高額になる事もあり、株主優待の価値以上になる事すらあります。

逆日歩には上限がありますが、その値は殆どの場合は株主優待の価値以上になっています。

逆日歩が高額になるケースとしては、
・少ない信用買い、多い株不足
・流動性の低い銘柄
・株主優待のお得度が高い銘柄
などがありますが、一概には言えません。
過去の事例も参考にはなりますが、突発的に高額逆日歩が発生する時もあるので、長年にわたって株主優待クロス取引をやっていても、難しい面もあります。

各銘柄の日々の逆日歩や株不足の情報
日本証券金融|貸借取引情報

 

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株主優待クロス取引での信用取引に関わる手数料

株主優待クロス取引を行うには、売買手数料(株式委託手数料)や逆日歩の他にも費用が掛かります。

◎貸株料
株を借りて空売りする時に必ず払う必要があります。
長期間の空売りや高額の空売りを行うときには、株主優待からの儲けを打ち消しかねないので、注意が必要です。
制度信用で年利1~2%ぐらい、一般信用で年利2~4%ぐらいです。

◎管理費
新規建約定日より1ヶ月目ごとに、1株につき税込10.8銭の割合で発生します。
1ヶ月、建玉毎に最低税込108円、最高税込1,080円となります。

◎配当落調整金
権利確定日をまたいで空売りした場合、株式の貸主は配当金を受け取れませんので、株式の借主が代わりに配当金に相当する額を支払います。
株主優待クロス取引の場合は、現物株から受け取る配当金と信用売りの配当落調整金は、ほぼ打ち消し合い、あまり影響はありません。
制度信用売りの場合:配当金の84.685%
一般信用売りの場合:配当金の100%

(補足)現物買いの代わりに、信用買い+現引き

現物買いの成行注文のかわりに、
信用買いの成行注文の後に、現引きをする、
という方法もあります。

現物買いが良いか、信用買いが良いかは、
買付手数料
信用買方金利
必要資金(現物成行買いの方が注文時の資金がより多く必要)
を判断材料にして決めます。

特に、楽天証券のいちにち信用買いが買付手数料0円なので、有効に使えます。

 

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まとめ

現物株と信用売りを組み合わせることで、低リターンですが、低リスクで株主優待を取得できます。

低リスクとはいっても、制度信用の場合は逆日歩のリスクがあるので、初心者の方には一般信用売りでの株主優待取得がお勧めです。

逆日歩の仕組みは複雑なので、ここでは詳しくは述べませんでしたが、制度信用売りを使った株主優待クロス取引も有効活用したい場面もでてくるかもしれません。

その時になったら、日本証券金融のホームページで逆日歩のしくみを理解されてから、制度信用売りを使った株主優待クロス取引に取り組まれると良いでしょう。

また、最近の傾向として、株主優待に長期保有特典を付けたり、一定の保有期間がないと株主優待の権利が得られない制度を設けている企業もあります。

この場合には、この記事で述べた単純な株主優待クロス取引は有効ではなく、端株を用いた戦略も検討に値します。

 

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